ステージ落下直前までの平手友梨奈の気迫【ツアー千秋楽・幕張】
初めて生で観た平手友梨奈は、圧倒的に本物でした。
ライブ途中でステージから落下してしまい、最後のダブルアンコールで復帰したことが話題の中心となっていますが、オープニングから途中離脱するまでの平手友梨奈の鬼気迫る存在感も絶対に語っておくべき事項の一つです。
幕張の千秋楽で”スイッチON”の平手を見れた時間はほんのわずかでしたが、その少しのパフォーマンスが強く印象に残っています。
離脱までの全パフォーマンス
オープニングから平手離脱前後までのセトリは以下の通り。
- 「Student Dance」
- ダンストラック
- 「AM1:27」
- アンブレラダンス
- 「エキセントリック」
- ダンストラック
- 「ガラスを割れ」
- MC
登場シーンの芸術性
今回のライブでは、レトロな「時計」がコンセプトになっていましたね。
ライブは、時計の鐘の音から幕開けとなりました。開演前から「演出の都合上、係員が合図するまでペンライトの使用禁止」との指示があり、真っ暗な会場の中での鳴り響く鐘によって、不思議な世界観ができあがり。
鐘の音が響き続ける中で、前方のメインステージから懐中電灯を持ったメンバーが続々と現れ、会場はさらにミステリアスな雰囲気に。
ほぼ全員が出揃ったところで、満を持して平手友梨奈が後方のサブステージからゆっくりと登場しました。顔はややうつむいた角度、前髪によって目は完全に隠された状態。ここで初めて、平手友梨奈の実在を確認。
僕は最前ブロックの「A12」というメインステージ真ん前の神席でスタンディングしていたため、平手の登場は会場の歓声を持って知ることになりました。
演出上、静けさが求められているシーンだったため、絶対的エースの登場によって沸いてしまっていた場内に静寂を促すように平手がそっと人差し指を口元に当てる仕草。
しかし、いかんせんそのポーズが芸術的に美しすぎて、会場がさらに沸いてしまうという事態に。僕が今回のライブでもっとも脳裏に焼き付いているのは、この時の平手のサイレントポーズですね。
もし僕に絵を描く才能があれば、帰宅後すぐに用紙と筆を取り出し、この時の平手の全体図を描き収めていることだろうと思います。
「ガラスを割れ」までのオーラ”ゼロ”状態
「Student Dance」を終え、そしてダンストラックの後に披露した「AM1:27」では、平手の動きはほとんどコメカミに人差し指を当てて頭を回しているだけ。
これを「エコダンス」と言ったらそれまでなんですけど、オーラーを全く放っていない平手の姿は逆に見応えがありました。オーラが「あまり出ていない」のではなくて、全く出ていなかったんですよね。
覇気は全く感じないものの、動きの綺麗さは近い距離でみるとやっぱり格別で、特に「エキセントリック」でのダンスには惚れ惚れとしました。
「エキセントリック」の踊りをしっかりとみるのは、昔日テレの「THE MUSIC DAY」でのパフォーマンスを観て以来でしたが、生でみるとやっぱり振りの美しさが段違いですね。
直接観ていて、膝を曲げて背筋を張って腕を下に揺らす部分の振りでは、全く身体の軸はブレず、腕の振りはなめらかで、指先にまで神経が行き届いていました。Mステでのアンビバレントのラストシーンと同じで、指の先端でまで表現してくる平手。
「ガラスを割れ」での爆発
エキセントリック終了後にダンストラックを挟み、「ガラスを割れ」が始まりました。
ここで静寂ムードは一気に終了し、ペンライトも解禁に。
ここから、完全究極体平手友梨奈が姿を現しましたね。
明らかに身体のキレが増したダンスを見せ、欅坂のライブが始まったぁー!!というテンションに。
時折モニターに表情が映った時には、ここまでとは打って変わって野生にかえったような表情を見せていた平手が印象的でした。
で、圧巻だったのは2番終了後のソロダンス。
メインステージからサブステージへと続く花道に平手一人が飛び出し、全エネルギーを投入した渾身の振りを見せつけ始めました。
まだライブ冒頭のこの曲ですべての力を出し尽くしてしまうのではないかという心配をしつつも、激しく身体を動かしながらも振りが全く乱れないダンスにひたすら圧倒されました。MVでのソロダンスよりもさらにレベルを上げ、感情の表現力は5割増しという感じ。
最後にはイアモニも外れてコードが平手の周りで散らかっている状態。最後まで感情をむき出しにしたパフォーマンスは圧巻でした。
「吠えない犬は犬じゃないんだ」の歌詞が終わり、モニターは平手のアップだった状態でフェードアウト。この時の平手の位置はサブステージでした。はっきりと見えなかったけど、曲終わりの平手はどんな表情をしていたんだろう。
全エネルギーを放出した平手
「ガラスを割れ」が終わり、サブステージから遠い場所にいた自分はただただ「平手すげええ…」という余韻のまま、メインステージに顔を向けて他メンバーのMCを聞き始めました。
実際にはまさにこの時、ステージ落下事件が起きていたわけですね。サブステージ近くで観ていた人たちは、平手がステージから落ちる様をはっきりと目にしていたようです。僕の位置からは、曲終了後に会場が暗くなったこともあって全く気づけませんでした。
“平手友梨奈”が落下したことについて、あの場にいた人ならよくわかる。あの時あの瞬間、明らかに周囲など見えてないようだった。持っているエネルギーを余すことなく一気に放出して電池が切れたかのようにフェードアウトした。”本気”だったからこそ起こった事故。#平手友梨奈 #てち
— ユウ チーム欅推し (@IVlJpPwfE8Nt0gp) 2018年9月5日
あれだけの迫力のパフォーマンスを見せつけた直後では、足場がおろそかになってしまうのも仕方がないかもしれないです。それだけの気迫に満ちたパフォーマンスでした。
その後のセットリストで平手が一切姿を見せないことに不穏さを感じていましたが、事故があったことを知らない自分は、ガラスを割れでスタミナを使い切ったことが理由だと勝手に納得していました。
平手不在のまま7曲が過ぎ、「もう森へ帰ろうか」後のMCでゆっかーが、平手がガラスを割れの後にステージに落下し病院に運ばれているということを報告しました。本人は戻りたがっているけど、大事をとって検査していると。
マジか…。場内騒然でした。
「私たちで頑張りつつ、てちの帰りを待つ」ということを言っていたので、まだこのライブ中でのカムバックはありえるということは分かり、一安心。
Wアンコールで復活
本編中には、平手は帰ってこず。「アンビバレント」での平手のダンスをものすごく楽しみにしてたけど、しょうがない…
続く1回目のアンコールでも平手の姿は見えませんでした。
何時間でも待つから、平手が帰ってくるまでこのライブを終わらせないでくれ、、、という心境の中、Wアンコールで念願の復活。大事には至らなかったみたいで、よかった。
平手はステージに出てくるなり、深々と頭を下げていました。ゆっかーが平手の復帰を改めて会場に伝えると、また深々と頭下げ。ここでも特に言葉を発さないのが平手流。
右肘には傷跡を隠すような大きい貼りものがついていました。あと、怪我とは関係ないだろけど、明るい照明の中で顔がアップになったことで平手がグレーっぽいカラコンを着けていたことも確認。これをライブの始めからつけていたのかは謎です。
ダブルアンコールでは、『W-KEYAKIZAKAの詩』を披露。ひらがながいない中でこの曲をやるあたり、平手の一時離脱によってセットリストが変更されたんじゃないかと思います。
この千秋楽のチケットが当選した時から、ずーーっと特別演出からの「不協和音」を生で観ることを楽しみにしてきましたが、戻ってこれたとはいえコンディション万全ではない平手がこの魔曲をやることは無理でしたね。
元のセトリには、不協和音が含まれていただろうと勝手に思っています。
https://www.nogikeya46.com/hukyouwaon/tour2018-final/
『W-KEYAKIZAKAの詩』披露後には、全メンバーがメインステージから花道を往復。他のメンバーが笑顔で手を振っている中で、平手は観客一人一人に頭を下げていました。
平手友梨奈からは一瞬も目を離せない
紅白での不協和音を観たときにも感じたことですけど、今回初めて生で目にして、魂を削る平手のパフォーマンスにはリミットがあることを改めて実感しました。
「これからも見れるし」というような軽い気持ちで見るものではないなと。
「ガラスを割れ」の平手のパフォーマンスは僕の脳裏に永久保存版として残しますが、一瞬の気も抜かずにもっと目に焼き付けていればよかったと後悔もしています。
大げさに思われるかもしれないけど、今回の平手のパフォーマンスを目撃した人であれば共感してくれるはずです。
次回欅のライブに参戦するときには、平手の表情・手の振り・身体全体の動きを一瞬も逃さずに味わってこようと決めました。